組織診断は必要ではあるが予断をもって行うと見誤ることがあります。

2011年12月20日 20時00分

 今から30年ほど前の事です。その歳の10月、私の住む所で市長選挙がありました。その結果現職が落選し、新人が当選しました。新市長はそれまでの市長の閉鎖性や独善性を指摘し、行政のムダや非効率を批判して当選したのでした。そのため、市長に就任した直後から、それまでの行政のムダや非効率を過剰なくらいに指摘しようと躍起になっていました。しかし、行政のムダや非効率は素人が即断できるものではないため、新市長は専門の業者に、組織診断なるものを依頼しました。依頼を受けた業者は、行政各部署の実態調査を行うため、組織の部署への聞き取り調査や書類審査を行いながら、3ヶ月ほどかけて調査報告書をまとめました。 この市長選があったのは、私が郷里の市役所に勤務して半年後のことでした。私は大学を終えると直ぐに郷里へ帰り、この市役所に勤務しましたが、郷里が政争の激しい町であることなど全く知りませんでした。この時の市長選挙も多分に政争の具に利用されたことは否めないと思います。新市長は前市長の独善性や行政の非効率等を糾弾して当選したにもかかわらず、市長就任後に行った組織診断の結果は概ね妥当であるとの報告が出されました。この組織診断のために支出された費用もかなり高額なものでしたが、何のための市長選挙であったのか。また、何のために組織診断までやって前職の糾弾を行う必要があったのか。こうした過剰な糾弾行為そのものが、ムダな行為であると言えるのではないかと、当時の私は思いました。